少し行程ニ、已ニ名古屋ノ
天守見る、宮ニ到り熱田
参詣し、佐久間勝之奉納
之石籠、如此大なる者始て
見る処也、年号月日歴
然たり、是より家続ニて
名古屋到り、門(モン)跡ハ大ナリ、
本町ニ宿を取り、城ノ外郭
より左廻り、新馬場と云所
ニて天守ヲ見る、黄金之
光り、聞しに勝る事也、
しゃチホコ(図参照)如此所箱棟、
七ツノ御紋皆同し金ニて、
陰かに望遠鏡ニて見しニ
鱗様なる処迄も別り、
日ニ映して暉き渡り、
美事なる物なり、名不空、
実尾張之名物ハ是ニ留らん、
城市之盛なる、小江戸之
様なる物なり、伊東・大丸、 |