寺之横ニ公之墓を始、四十七士
之墓アリ、前ニ二本之古松
アリテ其碑アリ、夫より
少し行て、塩場出、盛ん
なる物なり、焚所入見ニ
釜ハ深サ五寸位、横六尺計、
竪九尺計之石釜なり、
こば石之様なるを敷し故、
ツリ手アリ、石炭ニて焚、
焚者ハ両人、昼夜供(共)、夜之者
ハ焚計り、上る事ハセズ、壱昼夜
四十俵も出来ると云(壱俵十一貫匁)、
昼夜ニて弐十四釜上ルト、
直段ヲ聞ニ四百文位と云、
金之釜もアる由、数々アル故、
一々不見、金(ゾク)之釜ニて松ヲ
焚、塩ハ密ニして旨しと、
塩浜之人数多物なり、其ハタラキ
少しモ息者なく、尤日中 |