夜少々遅ナレ共、盆之事故、
道中ニて宿を迷惑かる故、
松山迄来る、昼過ハ大雷雨
なれ共、夜ハ晴て、月もさへ、
左右絶碧故、前岸之山上ニ
月照り、此方之山之かげ、前山
之半ニウツリ、中ニ清川流
て好風景ナリ、更夜道ヲ
不厭、五ツ頃、松山着宿ス、其外
五年以後ノ売買之田地ハ、
皆本返ス抔之咄アレ共、不足
信、追此地ノ事ハ山田ニ尋て
可記、松山ハ本道より北西ニ入、
如案、流行更ナシ
□十七日 晴 山田 一
松山を立て、ヤハリ川ニ添て、
三里計り奥入り、漸く山田
之宅へ昼頃到る、弥
陜(セマ)キ所なれとも、 |