ナリ、潮干れハ浅けれ共、
満れハ両岸石垣之上迄
至る、二階下水来る、干満
之違、甚敷物ナリ、全躰之
方&~、勿論瓦屋根故
我国抔より麗ニ見ゆる
かも不知共、利口之仕方
と思る、山上より見るニ、松山川ノ
南ニ屋数相応ニ見ゆ、聞け
れとも忘る、夜五ツ頃船ニ乗る、
九ツ時分船出る、夫迄之待遠
なる事、昨日より逗留故、別し
退窟ニ思し処、少し寝ると
思しに、はや丸亀附、焼七ツ
前之由、晴故ニ、月星照り
・やきて、風景妙也、十里之
海上、早ニハ感心之物ナリ、丸亀
之船宿入りけれとも、出来合
飯もなき様子故、支度ヲ直して |