暁七ツ頃、飯塚ヲ立て、川ニ
添て行事数里、先に
福岡出るニ、ソコ井ノ越之節、
川を渡れり、此川上ならん、
此辺亦、一面之平地ニて広大ナリ、福岡
之開ケと、只宝満之諸山、
中ニある、筑後ハ余り
平面多、或ハ山ニ不自由アル
処もあらんか、然共、川ハ多
アリ、先ニ如云、如何ニモ上国と思
ケル、筑前ハ平面モ多けれ共、
間々ニ山アリ、山海之利ヲ兼、
鎮主府之、此国ニアルハ<iリ
と思ケル、木ヤノセヘ出、又小山小々
アリテ黒崎出ツ、飯塚より
是迄之道抔、平面ニて石も
なく、席上之ことき所多、
実ニ感心之所ナリ、先ニ如謂、 |