面白き事ならんと、残念云計リ
なし、三島ニ到り、三島明神
ハ余程之大社なり、地震(シン)
ニて本社ハ破損、至好宿なり、
夕七ツ過、沼津ニ宿ス、此間之
事、色々書度事もあれ共、
面倒なる故略ス、心之向タ
時ハ記し、不害楽也
此日、同行之旅人ニ聞(伊豆人弐人之吐也)、あれ
なるハ吾が国之天城ノ山也、彼山より公儀
納むる処之炭十万俵(六貫五百匁)、
竈数書上百六十八、其外各持林(ハヤシ)
より炭ヲ江戸出し、伊豆ハ
炭七分と云所なり、
年中炭を焚居と云、箱根ハ
実ニ天険如今海路自由ならさ
れハ、北条之頼みしもことわりと
思程也、山上之湖水、雨ハ降リ、岸ハ |