何処にか遊郎晩宴を開く 高歌酔舞興頻りに催ほす 更闌(かうた)けて糸肉声初めて息(や)み 仮瀑淙淙として枕に響き来る 雷声収って雨岩区に返る 隠隠として猶聞く四隅に震ふを 糢糊たる山色翠滴らんと欲す 恰も是れ米家の水墨図
明治癸巳八月 乾堂散人 北沢正誠 拝読
求志洞遺稿詩坤畢