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稿本略註国訳求志洞遺稿 文 稿本略註国訳求志洞遺稿 詩 坤全
小林虎三郎 求志洞遺稿について 凡例 このサイトの見方
求志洞遺稿詩坤
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160.石橋山/161.熱海の寓楼眺望/162.即事/163.再び熱海に抵る丙子
164.熱海の寓楼雑詩/165.伊香保雑詩
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 一六○、注釈1石橋山

注釈2嵐気人を襲うて冷やかなること衣に透る 石橋山上注釈3烟霏鎖す 注釈4二位身を匿す処を尋ねんと欲す 只注釈5青鷦の樹を出でて飛ぶあるのみ

 一六一、熱海の注釈1寓楼眺望

怪巌注釈2屹峙す怒涛の中 雲は散ず東洋万里の風 積水注釈3蒼茫として天に接する処 一条翠を横(よこた)ふるは是れ注釈4房総

 一六二、即事

早起簾をいて試みに注釈1檻に凭る 雲は海面を埋めて望み通じ難し 注釈2屈伸臂頃風吹き散じ 杲杲(果果)たる注釈3初陽浪映じて紅(江)なり

 一六三、再び熱海に抵る注釈1丙子

此の温泉を訪ぬること是れ両回 注釈2竹輿注釈3(伊)軋して注釈4山隈を下る 村童三五笑って相迎ふ 往日の注釈5髯翁今復た来ると

 一六四、熱海の寓楼雑詩

忽然たる注釈1霹靂注釈2雷霆怒り 墨の如き乱雲奔って停らず 須臾にして海面悉く雨と為る 注釈3大島注釈4初嶼注釈5杳溟に没す 注釈6大嶼は翠に初嶼峡は注釈7 注釈8真鶴岬は海に飲む注釈9の如し 想ひ得たり当年源の注釈10鬼武 一帆浪を破って房洲に走る
 雄壮。

 一六五、注釈1伊香保雑詩

楼閣層層皆山に倚る 林幽に壑邃(たにふか)く注釈2人寰を出づ 山に対して晨夕興尽くる無し 妙は雲煙離合の間に在り
注釈3注釈4として山注釈5削然たり 誰か思はん此の処人煙簇(むらが)らんとは 人煙一百四十戸 生計只依る一脈の泉
仰いで上天を望めば星斗近く 俯して下界に臨めば駅村微かなり 地海面より高きこと四千尺 盛夏何ぞ疑はん熱威薄きを

注釈

160.石橋山 161.熱海の寓楼眺望 162.即事 163.再び熱海に抵る丙子 164.熱海の寓楼雑詩 165.伊香保雑詩
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