今此の小楷帖を観るに、固より顔法を歩趨すと雖も、其の間亦往々、黄庭、楽毅の二帖に倣ふ者あるに似たり。 余極めて臨池に踈(うと)し。意に率って僭評す。豈敢へて自ら是とせんや。世間能書の人、当に確論あるべきのみ。 丁丑夏日、小林 虎 炳文、伊香保の客舎に親展して遂に題す。