ながおかネット・ミュージアム
求志洞遺稿メニュー
稿本略註国訳求志洞遺稿 文 乾 稿本略註国訳求志洞遺稿 詩 坤全
小林虎三郎 求志洞遺稿について 凡例 このサイトの見方
前のページへ
次のページへ
61.子英に与ふ/62.北沢子進に与ふ/63.象山詩鈔の跋/64.東坡の小楷帖に跋す
この画像を拡大する 拡大する
故を以て時に筆硯を弄するを得、夜間亦能く眠る。是れ悪非に非ざらん。幸に念に懸くるを休めよ。

注釈8辰下、千万多愛せよ。不悉。
子英賢弟硯北。 虎、七月廿八日午後作。


 六二、北沢子進に与ふ
 謹白。愚弟の書来って、注釈1蓬に枉ぐるを詳らかにす。多荷、多荷。独り僕遠く注釈2窮山に在りて、注釈3拝晤するを得ざるをいかにせん。憾みと為すこと殊に探し。
 僕浴泉三週日。昨年来の諸患、大いに減退す。頗る以て喜びと為す。何ぞ料らん。旧患の風湿忽ち発し、注釈4臥蓐十余日、猶起つを得ず。注釈5無聊言ふべからず。但々医士の診を頼み、注釈6規尼を服するのみ。此の薬必ず功を奏せん。幸に深く以て念と為すこと勿れ。
注釈7象翁の詩、刻の成ること近きに在り。尊兄注釈8幹辧(辨)の労、実に想像に堪へず。喜ぶべし、喜ぶべし。跋文一篇、聊か責を塞ぐのみ。注釈9用舎は惟々命のままのみ。敢へて注釈10附尾を期するに非ず。
注釈11項背攣痛、多く書く能はず。余は後鯉に付す。剰暑注釈12保図せよ。不宣。
注釈13明治丁丑、八月十八日午後。疾を力めて、伊香保の客舎に裁す。小林 虎拝。


 六三、注釈1象山詩鈔の跋
 客曰はく、象翁は文武の英なりと雖も、詩は則ち長ずる所に非ずと。余笑って曰はく、然り。翁は既に文章に注釈2屑屑たらず。況はんや、詩をや。然れども詩は、君子の注釈3其の志を言ふ所以なり。故に翁の詩に於けるや、注釈4経術に根拠し、材を群籍に採り、篇章字句、必ず敢へて苟しくもせず。是(ここ)を以て其の作る所、意を託すること幽遠に、注釈5規律森厳にして、絶えて注釈6淫靡浮華の習なく、要するに注釈7風雅の遺意を失はず。之を当世尋常詩人の為(つく)る所に視(なぞら)ふれば、孰れか得、孰れか失、明眼の士、必ず能く之を弁ぜん。余嘗つて、宗の注釈8胡澹菴、詩人を朝に薦むるに、注釈9朱文公其の一に居たりと聞く。さきに注釈10嘉安の間、我が邦亦或いは、詩人を薦むる者あらば、悪んぞ翁の其の選中に在らざるを知らんや。然れども是れ知者と言ふべくして、不知者と言ひ難しと。客、言なくして去る。
 適々詩鈔刻成る。此を後に書す。
注釈11紀元二千五百三十七年八月十八日。門人、越後の小林 虎 敬(つつし)んで題す。
 注釈12中村敬宇曰はく、注釈13寥々たる短篇、多少の注釈14層折あり。文字既に佳にして、意思亦好し。

  六四、注釈1東坡の小楷帖に跋す

 宋人の書法は、率ね注釈2顔魯公を以て宗と為す。注釈3蘇の如き殊に然り。其の行と楷とは、皆、則を此に取らざる莫し。

注釈

61.子英に与ふ8 62.北沢子進に与ふ1-6 62.北沢子進に与ふ7-13
63.象山詩鈔の跋1-8 63.象山詩鈔の跋9-14 64.東坡の小楷帖に跋す1-3
前のページへ
次のページへ
長岡市立中央図書館
〒940-0041 新潟県長岡市学校町1-2-2
TEL:0258-32-0658 FAX:0258-32-0664
E-mail:nagaoka@lib.city.nagaoka.niigata.jp