夫より佐与中山を通り、是等
之処名所図ニあり、不及記、一度
通り、後名所図画を見ならバ
楽もあらん、天龍川を渡り、
水がさハ多もあらざれ共、海道
一ノ大河なり、兼聞し通り、
天竜より前坂之辺迄、別して
道ノ流(立)派なる様覚、浜松ニ宿ス、
祭りニて賑やかなり
十七日 晴 ○御油
朝、浜松ヲ立、たかつかと云所ヲ
通り、是ニハ蓮ノ沢山ある処なり、
前坂ニ到り、今切り之渡りして
新井ニ達ス、好風景なり、鰻ノ
多所、江戸此辺より廻る由、
此渡りより、岸和田之士、瀧本
丈之助云人と連立、夜、御油ニ
同宿ス、新井と白す賀と間 |