ながおかネット・ミュージアム
求志洞遺稿メニュー
稿本略註国訳求志洞遺稿 文 乾 稿本略註国訳求志洞遺稿 詩 坤全
小林虎三郎 求志洞遺稿について 凡例 このサイトの見方
求志洞遺稿詩坤
前のページへ
次のページへ
7.秋日懐ひを書す/8.又/9.早春東台に遊ぶ癸丑/10.三国嶺/11.又/
12.癸丑の六月、弥利竪の使節彼理、兵艦四隻を率ゐて、浦賀港に来り、 其の大統領の書を致して去る。象山先生詩あり。其の韻に次し奉る。
この画像を拡大する 拡大する

注釈1大火初めて西に流れ 稍々覚ゆ注釈2粛気の催すを 階下虫響聒しく 林頭風声哀しむ 既に看る梧桐の落つるを 偏に驚く注釈3烏兎の馳するを 注釈4丈夫五十歳 注釈5琢磨須らく注釈6時に及ぶべし

 八、又

注釈1江門に客たりし注釈2自従 注釈3既に三たび易ふ 注釈4二慈遠道に在り 相思ふこと朝夕靡し 此の注釈5節物の変ずるに値ひ 注釈6(岾)の情更に切なり 何の日か宿志を遂げ 帰郷久別を慰めん

 九、早春注釈1東台に遊ぶ注釈2癸丑

桜花未だ発かず春猶ほ浅し 旧に依って青松注釈3梵城を擁す 酔舞高歌の人到らず 暮鴉の声は雑る暮鐘の声

 一〇、注釈1三国嶺

注釈2山程三十里 絶険注釈3与に京いなる莫し 性素と丘を愛す 何ぞ恨みん歩行の難きを 日映じて注釈4鮮かに 風来って衣裳冷かなり 千重山脈続き 百折道注釈5羊腸たり 奇禽石上に語り 異草路傍に生ず 注釈6淙々たり深渓の響き 注釈7丁丁たり伐木の声 幽致洵に楽しむべし 転た注釈8襟懐の清きを覚ゆ 注釈9何か当に注釈10塵覊を脱して 此の際に注釈11茅亭を結ぶべき

 一一、又

嶺窺って注釈1上毛尽き 是れより注釈2北越に下る 注釈3勁風雪山を度り 人を吹いて寒さ 注釈4凛(漂)冽たり 足は山路の険に倦み 心は郷関の迫るを喜ぶ 二慈注釈5閭に倚って竢つ 早く帰って久別を慰せん

 一二、癸丑六月、注釈1弥利堅の使節彼理(ペリー)、兵艦四隻を率ゐて、浦賀港に来り、
    其の大統領の書を致して去る。象山先生詩あり、其の注釈2韻に次し奉る。

注釈3忠憤注釈4鬱屈涙空しく流る 正に是れ注釈5黠夷海を侵す秋(とき) 講武十年以て用ふるに足る 千里に注釈6折衝する豈人無からんや 注釈7草茅未だ見ず奇傑の興るを 注釈8廊廟何に縁ってか注釈9を建てん 生れて注釈10神州に在り同じく注釈11沢を受く 注釈12如今孰か深憂を負はざる
 幽憤深慨、志士の本色。

象山先生の詩。 注釈14火輪注釈14横恣江流に転ず 是れ君臣注釈15日をる秋(とき)に非ず 忠義神国の武を張らんことを要す 功名虜人の謀を伐たんと欲す 注釈16東圻堵を起すは曾(すなは)ち策を陳ぶ 南島船を注釈17るなんぞあらざる 兵事未だ聞かず巧みの久しきを 何人か速かに注釈18熱眉の憂を解かん

注釈

7.秋日懐ひを書す 8.又 9.早春東台に遊ぶ癸丑 10.三国嶺 11.又
12.癸丑の六月、弥利竪の使節彼理、兵艦四隻を率ゐて、浦賀港に来り、 其の大統領の書を致して去る。象山先生詩あり。其の韻に次し奉る。1-12
12.癸丑の六月、弥利竪の使節彼理、兵艦四隻を率ゐて、浦賀港に来り、 其の大統領の書を致して去る。象山先生詩あり。其の韻に次し奉る。13-18
前のページへ
次のページへ
長岡市立中央図書館
〒940-0041 新潟県長岡市学校町1-2-2
TEL:0258-32-0658 FAX:0258-32-0664
E-mail:nagaoka@lib.city.nagaoka.niigata.jp