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稿本略註国訳求志洞遺稿 文 乾 稿本略註国訳求志洞遺稿 詩 坤全
小林虎三郎 求志洞遺稿について 凡例 このサイトの見方
求志洞遺稿詩坤
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18.偶作/19.又/20.晩春の作/21.初夏の作/22.戯れに鍾馗の図に題す/23.夏日偶作/24.初秋の偶作
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 一八、偶作

注釈1束髪注釈2道林に遊んで 今に二十注釈3祀() 良図君を輔くる無く 自ら省みて太だ恥づるに堪へたり 則ち太だ恥づるに堪へたりと雖も 志尚ほ烈士を慕ふ 注釈4として古人を喚び 注釈5兀兀として古史を読む 注釈6澆季注釈7軟熟を喜び 注釈8耿介或いはりを負ふ 若し中情をして直ならしめば 注釈9淪躓何ぞ駭くに足らん

 一九、又

事業注釈1素志と違ひ 注釈2出盧年将に終はらんとす 余、年二十七、注釈3諸葛孔明注釈4茅盧を出づるの年なり。注釈5興懐注釈6疇昔を思ひ 慙愧又何ぞ窮まらん 注釈7道芸両つながら研精し 注釈8体用始めて貫通す 文武注釈9攻治を兼ね 注釈10乱理功を奏するに足る 注釈11我が師嘗つて懇ろに誨へ 吾奮って其の蹤を追ふ 今に至るまで一も成る無く 徒らに心胸の熱きを覚ゆ
 平素期する所、古名臣に在り。意境甚だ高し。

 二〇、晩春の作

屋外三丈の雪 須臾にして悉く消融す 梅桃相継いで発き 早く已に亦空と為る 光景少しくも駐らず 譬へば帆の風を受くるが如し 語を寄す年少子 注釈1研脩功を停むる莫れ

 二一、初夏の作

注釈1東皇既に退避し 注釈2炎帝注釈3八紘()を統ぶ 千林残紅無く 万山皆深青 注釈4顆顆梅子結び 注釈5簇簇注釈6竹孫栄ゆ 注釈7藕葉始めて泥を出で 松花悉く注釈8黄を落す 家圃漸く注釈9蔬を栽ゑ 村田将に注釈10秧を挿さんとす 万物方に喜美 之を観れば独り情を楽しましむ

 二二、戯れに注釈1鍾馗の図に題す

労勤は注釈2禎瑞を召き 安佚は注釈3妖氛を致す 鎮圧本我に存す 須らく注釈4此の君に依るべからず

 二三、夏日偶作

庭前の注釈1脩竹幾千根 翠影涼を送って小軒に臨む 注釈2尽日人の注釈3荻戸を叩く無く 細かに周易を観て黄昏に至る

 二四、初秋の偶作

雨収って南苑熱威微かなり 正に是れ午眠初めて覚むる時 松梢注釈1淅瀝として秋声度り 注釈2満院の清風注釈2衣に冷やかなり

注釈

18.偶作 19.又 20.晩春の作 21.初夏の作 22.戯れに鍾馗の図に題す 23.夏日偶作 24.初秋の偶作
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