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稿本略註国訳求志洞遺稿 文 乾 稿本略註国訳求志洞遺稿 詩 坤全
小林虎三郎 求志洞遺稿について 凡例 このサイトの見方
求志洞遺稿詩坤
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27.春日旧に感ず丁巳/28.雑感/29.夏日偶作
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宋の注釈22宣和元年五月、大に雨ふること七日、洪水京師に入る。挙朝を以て意を措かず。独り注釈23李伯紀のみ之を憂へて以て必ず戎狄の禍ありと為し、上書して之を論ず。言甚だ剴切なり。宋主卻(郤)って怒り、官を貶して之を逐ふ。後七年にして、果して注釈24女真の乱あり。京師注釈25滔没し、二主注釈26蒙塵す。宋の世を終ふるまで、其の注釈27故土を復する能はず。今夷虜の姦既に形はれ、災異の生ずる注釈28一切に匪ず。畏天の意注釈29丕変の緒あるを聞かず。則ち安んぞ其の禍の宋の若くならざるを保せんやと。憂思の余、乃ち詩を為って曰はく。
注釈30昭祖雄都を創め 注釈31載祀()まさに三百ならんとす 斯の災々起らず 注釈32ぞ遽かに茲の極に至る 痛念して其の由を注釈33繹ぬるに 注釈34悚然として宜しく注釈35警飭(飾)すべし 労勤は天の佑くる注釈36攸 災を息むるは惟々徳に在るのみ 世人何ぞ悟らざる 注釈37因(恩)循して長策靡し 経営歳時を注釈38愆ち 注釈39鯨鯢注釈40倍々横逆 注釈41民生日に難多く 注釈42皇輿或いは注釈43敗績せん 馴致して乃ち此に至る 救済豈益あらんや 我が生何ぞ注釈44蹇駑なる 注釈45眇爾(?前)として注釈46側にあり 幽懐注釈47)ずるに由無く 中心徒らに注釈48哀蹙す
 注釈49皇天注釈50を降して、人心を警戒するも、廟堂省せず。噫。

 二七、春日旧に感ず注釈1丁巳

昔遊(せきいう)首を回らせば夢注釈2茫茫 佳辰に値ふ毎に情転た長し 記得す春風注釈3台嶽の畔 注釈4紅霞深き処坐(そぞ)ろに觴を飛ばししを

 二八、雑感
五洲の形勢変遷頻りなり 何事ぞ廟堂革新を憚る 畢竟富強は惟々勉むるに在るのみ 注釈1聖東彼得定めて何人ぞや
 是れ尋常読書人ならず。


注釈2飛烽一夕注釈3海潯に伝はり 至尊をして枕を高うして眠らしめず 志士邦に酬ゆる宜しく策あるべし 注釈4彫虫豈注釈5腥羶を払ふ可けんや

 二九、夏日偶作

占め得たり荒園数歩の寛 注釈1の中亦自ら遊観するに足る 注釈2長春紅に綻ぶ注釈3樊籬(離)の下 注釈4燕子花開く池沼の注釈5干 一樹の老松風注釈6謖謖 万竿の修竹露注釈7 会心未だ必ずしも丘壑に在らず 城市誰か知らん此の歓びあるを

 三〇、注釈1又、進退格

注釈

26.憂思の詩に序22-30 26.憂思の詩に序31-40 26.憂思の詩に序41-50
27.春日旧に感ず丁巳 28.雑感 29.夏日偶作
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