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稿本略註国訳求志洞遺稿 文 稿本略註国訳求志洞遺稿 詩 坤全
小林虎三郎 求志洞遺稿について 凡例 このサイトの見方
求志洞遺稿詩坤
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128.偶作辛未/129.発跡/130.梅雨新に霽る/131.夏日江上即事/
132.苦熱/133.田中脩道の偶作の韻に次す/134.将に高知に赴かんとして三又駅に宿す
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異言朝野尚ほ紛然たり 士庶方に迷ふ亦憐む可し 吾は恥づ注釈2曲学斯の世に阿るを 注釈3沈淪を以て注釈4剰年を終へんと欲す
 満腔の不平発して注釈5韻語を作す。

 一二八、偶作注釈1辛未

既に妻妾の身辺に伴ふ無し 豈女児の膝前に環る有らんや 注釈2僑寓想相従ふ書数巻 門を注釈3杜ぢて客を謝す静か成ること禅の如し

 一二九、注釈1発跡

発跡すれば書生も即ち大臣 飽くまで知る注釈2富貴は浮雲の如きを 吾に注釈3経世安民の略無し 甘んじて注釈4山中臥雲の人と作らん
 注釈5安石山に還る。

 一三〇、梅雨新に霽る

数声の注釈1霹靂注釈2断梅の雷 注釈3抹墨の陰雲忽ち注釈4駁らに開く 夕陽横ざまに照らす前山の樹 翠色流るるが如く注釈5檻に映じて来る

 一三一、夏日注釈1江上即事

注釈2驕炎砂礫熱し 風死して碧江平らかなり 日午にして人の渡る無く 楊湾一棹(掉)横はる

 一三二、苦熱

苦熱人(ひと)釜中(ふちゆう)に坐するが如し 肩を聳やかして四顧して注釈1雲虹を望む 忽ち聞く注釈2轣轆たる注釈3(隣)磨の響 誤り認む雷声遠空に起るかと

 一三三、田中脩道の偶作の韻に次す

注釈1宿未だ注釈2えざるに齢将に傾かんとす 自ら沈淪に甘んじて此の生を了へんに 注釈3廬を結ぶ何ぞ必ずしも注釈4林壑に在らんや 心閑なれば注釈5城市も亦注釈6幽清なり」 酔裏注釈7儘々注釈8乾坤の小なるを覚ゆるも 静中独り理義の精しきを玩ぶ 注釈9笑他す世上の軽躁子 失意輒ち不平の鳴を作すを」 是非得喪曷んぞ較ぶるに足らんや 自ら上帝の眼分明なる有り 悠然として注釈10肱を曲ぐ北窓の下 樹竹階に接して風堂に満つ」

 一三四、将に注釈1高知に赴かんとして注釈2三又駅に宿す

渓流注釈3砌を繞って響き注釈4淙淙たり 幾個の啼猿屋後の峰 今夜堪へず注釈5故園の感 故園亦盍んぞ注釈6吾濃を憶はざらん

注釈

127.異言 128.偶作辛未 129.発跡 130.梅雨新に霽る 131.夏日江上即事
132.苦熱 133.田中脩道の偶作の韻に次す 134.将に高知に赴かんとして三又駅に宿す
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